型枠工事とは、鉄筋コンクリートの建物を建造する際に必要となる「枠」をその場で組み立て、柔らかいコンクリートを流し込み、成型する工事です。 鉄筋コンクリートの建物は、ほとんどこの型枠工事によって作られています。
コンクリートは固まってしまうと元には戻らないため、ミスの許されない重要な仕事です。頭も体もフルで使いますし、様々な技術や知識が必要になります。
その分、自分達が携わった建物が出来上がり、ずっと残っていくことが、この仕事をしている上での大きな喜びです。
柱・梁・壁・スラブなどの適切な寸法や形状、数量などを計算し、加工図を作成します。
その後、施工図面を元に階段や勾配・形状の複雑な部分などを、床に敷き込んだベニヤの上に実際の大きさで作図します。
合板や桟木などの材料を、加工図に沿ってハンマーや電動丸ノコなどであらかじめ切断し、組立ててパネルや柱型・梁型・補助などを製作します。
材料の無駄を防ぎ、現場での作業効率を上げるためにも大切な作業です。
施工図面に沿って、型枠を組み立てる柱や壁などの位置を現場に墨で打ちます。
一般的に、線や印を付ける時に墨壺を使用するので「スミ(墨)出し」と呼ばれます。
(「墨打ち」と呼ぶ場合もあります。)
スミ出しをもとに、加工した材料を組み立てていきます。
型枠の精度と強度を高めるため、水平・垂直に組まれているかを常に確認します。型枠職人の技術が光る工程です。
この作業の善し悪しによって、建物の出来が決まるといってもいいぐらい重要な作業になります。
建てた柱に壁を建て込み、梁を架けていきます。
スラブ(天井・床)貼りの作業後、鉄筋業者の方がその上に鉄筋を組んでいきます。
すべての型枠を組み終えたら、流し込まれるコンクリートの圧力に耐え、正確な形になるように各所点検しながら、必要な箇所を固めていきます。
これにより、コンクリートを流し込んだ時の圧力で型枠がくずれたり歪んだりするのを防ぎます。
まだ柔らかいコンクリートを型枠に流し込みます。
流動性のあるコンクリートを流し込むため、型枠には内部からとても強い圧力がかかります。
そのため、打設中は常に注意を払い、型枠の点検を行いながら打設を行います。
打設したコンクリートが固まったら、型枠を解体します。
通常は一度に解体せず、壁・梁・スラブの順に日数をおいて解体していきます。
危険を伴う作業ですので、 十分に注意を払い作業します。